まなびの『び』

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三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)の決算分析

金融3メガのうちの一つ、三菱UFJフィナンシャル・グループの決算を見ていきましょう。

 

三菱UFJフィナンシャル・グループの中核となるのは三菱UFJ銀行。その他、三菱UFJ信託銀行三菱UFJモルガン・スタンレー証券auカブコム証券といった国内外の証券会社を傘下に持つ三菱UFJ証券ホールディングス、クレジットカード会社の三菱UFJニコス、カードローンのアコムなどを連結子会社として持ち、また持分法適用関係会社としては、ネット銀行のauじぶん銀行、リース会社の三菱UFJリース信販事業のジャックスなどなど。金融の様々な分野で事業を行っております。

2022年3月期は前期比、売上高が0.8%の増収、経常利益は45.9%、最終利益は45.5%と大幅な増収となりました。

米国金利上昇局面において、外国債券の売却損を計上したことにより国債等債券関係損益が減少

とあります。『決算ハイライト』を見てみると、2022年3月末時点の評価損は8,528億円としています。一方で、

国内外の貸出利ざや改善にともなう資金利益の増加や、国内の資産運用ビジネスをはじめとする役務取引等利益が増加

と利ざや改善を追い風として記載があります。『決算ハイライト』にて国内の法人貸出利ざや、海外貸出利ざやをみるといずれも第4Qは上昇していることがわかります。

米国の経済環境見通し改善に伴う引当金の戻りに加え、MUFG Union Bank, N.A. 株式の売却決定に伴う貸倒引当金の戻入れもあり

貸し倒れ引当金については、アメリカの経済回復傾向を受け、前期に積んでいた引当金が減少、これらによって経常利益、最終利益が大きく改善しています。

 

今回の発表に合わせ配当金も4円増配、上限6億株(発行済株式総数に対する4.7%)の自己株買いも発表しています。

 

しかしながら、次年度は12%の減益見通しを発表しており、やや物足りない決算になってしまった印象です。