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鉱工業生産指数とは?2022年5月発表

6月30日、経済産業省から5月の鉱工業生産指数が発表されました。

 

 

この鉱工業生産指数は日本における鉱業や製造業の生産量を指数化しているものです。全ての品目を加重平均した総合指数と、品目ごととした業種指数、品目ごとの品目指数といった分類があります。

また、上では生産量を指数化した生産指数を説明しましたが、出荷指数、在庫・在庫率指数といったものもあります。

 

一般的に生産指数が大きくなるということは、需要に対して生産をしているため景気が良い状況といえます。

一方で、品目によっては機構によって夏は生産量が多いものであったり、年末に生産量が多くなるものがあります。あるいは年度末になると決算期末ということで生産を増やす企業もあり、このような季節変動を慣らしたものを季節調整といいます。

 

この様に日本の鉱工業の動向を確認し、日本の景気状況を見るのが鉱工業指数ということになります。

 

それでは、今回発表された5月の鉱工業指数を見ていきましょう。

2022年5月の鉱工業生産指数は季節調整済みで88.3と、前月比▲7.2%となりました。

図表01

経済産業省HP:https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/archive/kako/20220630_1.html

 

前月比と比べ増えた業種は、

・石油・石炭製品鉱業(前月比8.9%増)

・無機・有機化学工業(前月比3.9%増)

であり、反対に減った品目の上位3業種を見ると、

・電気・情報通信機械工業(前月比▲11.3%減)

・自動車工業(前月比▲8.0%減)

・化学工業(除、無機・有機化学工業・医薬品)(前月比▲7.9%減)

となっています。

 

品目別で寄与度の大きい品目で見てみると、普通自動車普通トラック、小型乗用車といった自動車やリチウムイオン蓄電池といったものが大きく低下させています。

これらは中国でのロックダウンの影響が大きいと言われています。ロックダウンによるサプライチェーンの混乱で、トヨタが国内工場の稼働を停止していたりといった話題がありました。

 

株価への反応で言えば、どこまで市場が織り込んでいるか、ということになり、これははっきり言ってわかりません。30日は全体的に株価が下がっているので、どこまでが今回の発表の影響なのかも見えません。

ただ、このような鉱工業生産指数はダイレクトに業績そのものに繋がります。品目別に見て長く生産がマイナスに続いているものと、そのメーカーの株価の業績見通しに乖離があれば、業績の下方修正といったことも可能性が出てくることになりますね。