まなびの『び』

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アメリカCPI(消費者物価指数)発表 止まらない物価上昇とドル高

2022年6月のアメリカの消費者物価指数が発表されました。以前より記事でも取り上げている通り、アメリカ連邦準備理事会(FRB)はインフレの抑制を最優先課題としており、これまでアメリ連邦公開市場委員会(FOMC)の中で政策金利を大きく引き上げてきました。そのために今回の消費者物価指数は今後の利上げスピードがどうなるか、という観点で非常に重要な意味合いを持っていました。

発表された数値は前年同月比9.1%の上昇。この数値は40年ぶりの数値となります。

そしてこの9.1%という数値は、先月2022年5月が同8.6%よりもさらに高いものとなります。当初の予想としては2022年3月にピークを迎えるとも思われていましたが、予想を裏切りさらに加速している状況が見て取れます。

7月26日27日のFOMCにて、政策金利がこれまでは0.75%利上げされるのではないか、と意識されていたのですが、それでは足りず1.00%のさらに大きな利上げがされるのではないか、とも今回のCPIの発表を受けて予想され始めています。

 

日本時間21時30分ごろにCPIが発表されると、アメリカの10年国債利回りは急上昇。3%超近辺となっています。債券利回りの上昇が期待されドルが買われる形となり、ドル高円安も急速に進んでいます。

発表前が1ドル137.0円から137.1円といったところでしたが、137.4円から137.7円まで急激に進みました。

 

そして注目なのが、ユーロとドルの為替です。下図過去5年間の値動きを見てみます。

ユーロはこれまで多くの期間1ユーロに対して1.1ドル台。つまり1ドルよりも1ユーロのほうが高い状況が続いていました。しかし、今回一時的に1ユーロ=1ドルを下回りました。これは20年ぶりとのことです。

 

これだけドルが高くなりますと、アメリカからの輸入品が高くなるため、インフレがアメリカ以外にも拡大していくことになります。つまり各国の中央銀行の対応が問われるところです。日本銀行はそれでも動かないのか、(動かないと思いますが)注目となっていきます。