まなびの『び』

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2022年8月の相場振り返り

2022年8月の相場の振り返りです。eMAXIS Slimシリーズの基準価格の推移を参考にみていきます。図は前月末の各投資信託の基準価格を1として、その推移をグラフ化したものです。参考にドル円の推移も掲載しています。

8月は株式に関しては7月から続いた上昇局面が引き続き月半ばまで継続し、その後下旬にかけて下落するといった動きをしました。また、円ドルについては月後半に円安ドル高が急進する展開となりました。

まず、8月上旬は台湾情勢による緊張がありました。アメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問し、これに対して中国が対抗措置とする軍事演習。日本のEEZ排他的経済水域)内にも中国の弾道ミサイルが落下しました。偶発的な軍事的衝突が発生する可能性もあり緊張感が高まりました。

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8月10日に発表された7月CPI(消費者物価指数)は8.5%で、6月の9.1%から大きく下落しました。この8.5%という数値は市場の予想よりも低く、インフレのピークアウトではないかという見方も強まり、リスクオンが加速、株価は強く上昇しました。

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日経平均株価は8月17日には、1月以来で29,000円を上回りました。日米金利差による円安が輸出企業の業績を後押しすることも期待されています。

しかし、8月の後半にさしかかると、ジャクソンホールでのタカ派発言がでてくる可能性への警戒感から売られました。そして、26日にそのジャクソンホールの中でパウエルFRB議長による「物価上昇2%を実現するまで金融引き締めを続ける」趣旨の発言がでました。

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それまで9月FOMCでの利上げペースの減速が期待されていたところから一変、経済を犠牲にしても利上げを続ける姿勢が鮮明になりました。このため、26日にアメリカの株式市場は急落。円安ドル高も進行しました。

 

8月の株式市場は回復が見られたものの、弱さを見せながら9月に突入しました。9月FOMCに向けて、今後のCPIなどの経済指標は要チェックですね。