まなびの『び』

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2022年7月の相場振り返り

2022年7月の相場の振り返りです。eMAXIS Slimシリーズの基準価格の推移を参考にみていきます。図は前月末の各投資信託の基準価格を1として、その推移をグラフ化したものです。参考にドル円の推移も掲載しています。

 

7月は久しぶりにどの銘柄も月単位でプラスで終わりました。ポジティブに終わることができた月です。次月以降に続くとよいのですが、は7月何が起こったかを振り返っていきましょう。

 

上図を見ていただくと、7月の上旬は弱い一方で、下旬になって強い動きとなったことがよくわかると思います。

先月末からアメリカでの景気指標が市場予想を下回り、景気後退リスクが重くのしかかってきていました。

 

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インフレがなかなか収まらず個人消費消費が落ち込み、リセッション入りが不可避であることを懸念が高まっていきました。これによりリスク回避の動きはますます強まり、リスク資産である株式も価格が下落していく動きになりました。

 

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消費者物価指数は前年同月比+9.1%と41年ぶりの水準。インフレが止まらない状況かで、アメリカ利上げが確実視されるなか債券利回りが上昇したことでドル買いの動きが強まり、円安ドル高がピークとなっています。また、日本だけにとどまらず、7月14日には20年ぶりに1ユーロが1ドルを割り込みました。

 

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欧州中央銀行ECBは11年ぶりに利上げを実行。イタリアの政治状況も不安定な中でもインフレへの対応を行っていきます。

 

一方で7月19日にはアメリカで企業の好決算を受けて、大幅にアメリカ株式市場が回復。引っ張られるように日本株式市場も大幅に回復しました。その後はFOMCを警戒した取引の少ない状況になります。

 

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そして、FOMC。市場の予想通り0.75%の利上げとなり、さらにその翌日にはGDPが2四半期連続でのマイナス成長、「テクニカルリセッション」となりました。これらにより今後の利上げ幅は限定的になっていくという期待が広がり、株式市場には逆に追い風となるという風潮になりました。

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これまで長期にわたり円安方向に進んでいましたが、一転円高が急加速したところで来月に続くということになります。

この相場振り返りで見ている投資信託は円建での推移を見ていますから、今後仮に円高方向へ進むのであれば、先進国株式、債券が苦戦していく流れになっていきますが、為替の動きも今後どのようになっていくでしょうか。