まなびの『び』

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CPI発表に左右される市場

毎月のことですが、アメリカの消費者物価指数の発表次第で株価が大きく揺れます。先日発表された7月の消費者物価指数は未だ高い数値ではあるものの、9%を超えた6月からは軟化しました。

消費者物価指数が抑えられた背景としてはガソリン価格の低下が挙られてています。リセッション懸念による需要の減少懸念から原油価格は低下し始めていて、投機筋も撤退したからか、以前の様な高騰は静まりました。原油価格の減少は、一般家庭には直接ガソリン価格や電気ガス料金の光熱費、そして企業活動を通じて一般の財物の価格の下降に繋がります。

この結果、インフレ懸念が後退し、アメリカ連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが抑えられるということが期待される様になりました。このため、アメリカの株式市場は大きく値を上げて行きました。

 

ダウ平均は7月中旬から強い上昇トレンドになってきていて、5月上旬以来の水準になってきています。

ハイテク株中心のナスダック指数も同様ですが、上げ幅はダウ平均よりも大きくなっています。

 

アメリカ株式市場に引っ張られ、日本の市場も追い風になりました。特に着目すべきは日経平均です。

日経平均は3月下旬、6月上旬にそれぞれピークがあったのですが、28,400円を超えることができませんでした。ところが今回8月12日には一気に突破し、28,546円の高値をつけました。これは1月中旬の水準でおよそ7ヶ月ぶりの水準ということになります。

 

アメリカの消費者物価指数の話に戻ります。報道を見ていると今回の数値をピークを過ぎた期待感という表現しているものが多い様に思います。しかし、実際にピークアウトしたかどうかは不明瞭で、リセッション懸念が低くなると将来の原油需要が減らず、原油価格が上がります。そうなるとまたインフレ方向にふれる可能性もあるのではないでしょうか。結局資源高の根本は解決されていないので、どちら方面にも極端に触れがちに思います。