まなびの『び』

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12月アメリカ消費者物価指数CPIの発表

2022年12月の消費者物価指数が発表されました。前年同月比は6.5%の上昇率となりました。

いつも掲載している推移を見ると、前年同月比が2022年6月の9%台をピークとして。鈍化していることが明らかです。2021年11月が6.8%でしたから1年ぶりの数値ということになります。

 

この数値は市場予想通りであったということで、市場にサプライズ感はありませんでした。むしろ市場予想を下回るといった期待感からここ直近、株価が上昇していた側面もあったようです。とは言え、全体的に好感はされていて消費者物価指数が発表された12日にもダウ平均株価は続伸しています。

為替について見ていきます。

今回のCPIの発表でFRBが利上げペースを緩めるのではないかという期待感からドルに売りや圧力が進みました。また、日銀のさらなる金融政策の修正期待もあり、円高ドル安が進んでいます。1月13日には127円まで円高となり、2022年5月の水準となっています。

 

CPIの話に戻しますと、これまで伸びが減速している理由として一つには、原油価格の下落によるエネルギー価格の一服が背景にあるとされています。

ということで、WTI(West Texas Intermediate)原油先物価格の推移を見てみると、原油価格は2022年6月以降、減少が続いています。FRB政策金利の引き上げを実施する中、景気が後退することによる原油需要が減少する見通しにより原油価格は減少してきました。おおよそ2022年9月くらいから、ロシアによるウクライナ侵攻以前の価格で推移しています。2022年12月では、おおよそ70ドル〜83ドルで推移しています。ただし、すでに将来の需要減少はある程度見込まれつつ、今後供給の面ではOPECプラスなどの産油国思惑も混じった価格推移で安定するのではないかと想像しています。

そうなると、今後のCPIの推移としては、人件費や不動産の価格がどの程度安定するか次第になるかと思います。人件費については、直近でも記事にしました。先日発表された雇用統計において、就業者数は増えつつも、よりインフレに直接影響のありそうな平均時給については収まりつつあるとされています。

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今後のFOMCにおける最重要指標であるCPIの推移は要チェックですね。