まなびの『び』

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レートチェックとは?為替介入はできるのか。

先日書いた記事にて、「レートチェック」という言葉が出てきました。この言葉がどのようなものなのか、そして為替介入とは?が今回の話題です。

 

先日の記事はこちらです。

manabinobi.hatenablog.com

レートチェックとは?

さて「レートチェック」とは、その名の通り、「レート」を「チェック」することです。「レート」とは為替相場を指し、「チェック」とは、銀行などの市場関係者に対して、水準を確認することを指します。

つまり、いくらで為替介入を行うか、を確認することを言います。こうなると実際に為替介入に対して検討しているということになりますから、これまでの「緊張感を持って注視する」という様な「見てますよ、気にしていますよ」という言葉だけのアピールよりも一歩踏み込んだ、為替介入を行うかもしれないと匂わせる効果があります。

アメリカのCPI発表直後、1ドル144.96円まで円安は進んでいましたが、その後142.55円まで戻しました。一定の効果があったのかもしれませんが、それでもCPI発表前の水準に戻らず、その後再びゆっくりと円安方向となっているところを見ると、まだまだ本当に為替介入をするとは思われていないのではないでしょうか。

為替介入について

日本銀行のHPの(為替介入(外国為替市場介入)とは何ですか? 誰が為替介入の実施を決定し、誰が為替介入を行うのですか? : 日本銀行 Bank of Japan)から実際の為替介入について見てみます。

為替介入は正式には外国為替平衡操作といいますが、財務大臣の権限で実行されます。為替介入を行うとなれば、財務省指示の下、日本銀行が介入を行います。

外国為替資金特別会計という財務省の持つ外国通貨の資金を原資に行います。今回の円安の場合であれば、ドルで保有している資金を売却し、円を買い入れることで、円高方向へ介入していくことになります。

過去円買いを行った例では、1998年に遡ります。バブル崩壊後に日本の金融機関で不良債権が問題化され、日本の金融が不安視されたことで円売りが進みました。これにより1ドル140円台半ばまで円安が進行しますが、これを是正するために為替介入が行われることになりました。

ちなみに、1998年6月に介入が行われるものの、8月には同水準まで円安がもどってしまったのがこのときの事例となります。状況が変わったのが1998年10月15日に利下げがアメリカで決定されたものです。

過去の事例をもとに考えると、為替介入が決定的な解決策とは言い難い様です。