「共通担保資金供給オペ」とは?
先日開かれた金融政策決定会合。日本銀行は金融政策の修正はせず、懸念されていた金利の変動上限の変更はありませんでした。
一方で、その中で話題に上がったのが、「共通担保資金供給オペレーション」の実施についてです。今回はこれがどのようなものなのかを見ていきます。
共通担保資金供給オペとは、民間金融機関が国債や社債などを担保に低金利で資金を貸しつけを行う制度です。金利入札方式と固定金利方式がありましたが、今回、金利入札方式については貸付期間が1年間でしたが、10年以内まで拡張。固定金利方式については貸付金利が0%から、貸しつけのつど決定することになりました。
(https://www.boj.or.jp/mopo/measures/mkt_ope/ope_a/index.htm)
この共通担保資金供給オペの制度拡大が何をもたらすのでしょうか。金融機関が日本銀行が低金利で資金を調達することができるようになるため、その担保となる国債を金融機関が調達する働きかけに繋がります。
これまでは、日本銀行が国債を大量に買い入れを行うことで長期金利を0.50%に押さえこんでいましたが、その結果として発行されている過半の国債を日本銀行が保有している状況でした。今回のこのオペレーション拡大により、金融機関が日本銀行に変わり買い支えてくれることが期待されます。
また、貸付金利に変動性をもたせることで、これまで日本銀行の介入により歪んでいるイールドカーブ(債権の残存期間を横軸、利回りを縦軸としたときの曲線で、通常は期間が長い債権ほど利回りが高くなります)を、日本銀行が想定する金利へ調整することが期待でき、これにより歪みを解消することを目指しているともされています。
これにより、どれほどの効果が期待がされているかはわかりません。いくつかの記事を見たところ、専門家の間でも意見は別れている様です。