まなびの『び』

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アメリカ雇用統計の発表

10月7日のダウ平均株価は前営業日から630ドル、約2.1%とやや大きめに下落をしました。9月30日を底としてやや持ち直し3万ドルを奪還していたのですが、再び3万ドルを割れる不安な動きをしています。

下落した要因としてされているのが、アメリカの雇用統計の発表と言われています。

非農業系雇用者数が前月比26万3千人増。(8月31万5千人、市場予測25万5千人)

失業率が3.5%(8月3.7%、市場予測3.7%)

平均時給が前年比5.0%(8月5.2%、市場予測5.0%)

アメリカにとって最大の問題の一つとして対応しているのがインフレですが、その原因の一つが人件費の高騰です。失業率3.5%というのは過去から見てかなり低い数値となります。失業率が低いことはよいことのように思えますが、労働者が多いということですから、総計で見たときに人件費に支払うコストが増えていることになります。まして、平均時給も増加しているということであればなおさらです。このため、アメリカのインフレが抑制されつつある、かという問いに対して、今回の雇用統計からは抑制されているとは言い難い状況であることを示しています。

 

そうであれば何が起こるのか。アメリカ連邦準備理事会FRB政策金利の引き上げを行うことで、市場が資金調達コストを増やし、景気が落ち着くように仕向けているわけですが、そのゴールが現状よりも遠くなる可能性も示唆しています。つまり、次の連邦公開市場委員会FOMCが11月ですが、その中で決定される利上げ幅がより高くなる可能性があります。現状では0.75%の利上げ確率が高いとされています。

米雇用者数26.3万人増、失業率は予想外に低下-FRBへ圧力続く - Bloomberg

 

上ではダウ平均株価を見ましたがナスダックも見ていきましょう。

こちらは前営業日から約3.8%の大幅下落です。

10月10日はスポーツの日の祝日で日本の株式市場は休場します。これはネガティブバイアス(悪い事象ほど記憶に残りやすい)な気がしていますが、日本が3連休のときほどアメリカの市場で大幅下落をしているような気がしています。。。