まなびの『び』

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サハリン1も新会社へ移管

ロシアのサハリン州樺太と千島列島)での油田開発プロジェクトであるサハリンプロジェクト。この鉱区を8つにわけたうちの第1地区でのプロジェクトがサハリン1です。このサハリン1を運営する新会社を立ち上げ、その企業に現在の事業を継承するという大統領令が発表されました。

 

今年8月に、同じくサハリンプロジェクトのサハリン2についても新会社が設立され、サハリン2の事業が新会社に受け継がれました。サハリンプロジェクトは、当時ソビエト連邦が解体された直後に外国資本の力を借りながら開発を行う方針であったため、日本を含めた外国企業が参画をしています。サハリン2については、

・イギリスからシェルが27.5%

・日本の三井物産が12.5%

・同じく三菱商事が10%

の権益をそれぞれ持っていましたが、ロシアによるウクライナ侵攻を受けてシェルが撤退。その後の上述のサハリン2の新会社への移管に対して、日本勢の動きに注目されていましたが、政府の後押しもあり、三井物産三菱商事いずれも引き続き参画することを通知したという経緯がありました。

 

サハリン1は、

アメリカのエクソンモービルが30%

・日本のサハリン石油ガス開発が30%

・インドの石油天然ガス公社が20%

それぞれ出資しています。エクソンモービルについては、やはりロシアのウクライナ侵攻に対して撤退を表明していますが、日本の場合はすでにサハリン2について継続した実績がありますので、今回も同意するよう参画企業へ打診するのではないかと想像しています。

 

なお、サハリン石油ガス開発株式会社は、

経済産業省が50%

伊藤忠(子会社の伊藤忠石油開発あわせ)が16%

石油資源開発が15%

・丸紅が12%

INPEXが6%

などといった構成割合となっています。半数が政府保有で発言力が構成比率と同じであれば、サハリン石油ガス開発としては継続が確定としても、構成企業の中で撤退を行いたいという意思があれば、出資比率の変更、買い取りといったことが行われるのでしょうか。