まなびの『び』

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日医工、スクイーズアウト。上場廃止へ

ジェネリック医薬品で有名な日医工ですが、11月14日に上場廃止スクイーズアウト実施を発表しました。該当のニュースリリースは以下のURLとなります。

http://nichiiko-ir.irbridge.com/ja/PressRelease/PressRelease-341764626154804489/main/0/link/4541_20221114_02.pdf

 

本内容をまとめると、

①株式会社ジェイ・ウェル・パートナーズ(JWP)傘下の合同会社ジェイ・エス・ディー(JSD)へ第三者割当を行い、新株を発行する。

②株式を併合。JSD以外の株主に対し、1株あたり36円の金銭を交付する。

日医工は3〜4月ごろに上場廃止する。

ということです。

 

JWPの援助を受けることになりますが、日医工は2023年3月期第2四半期の決算発表を行い、最終利益で548億円の大幅な赤字を発表。前期が145億円ということで、赤字幅が大きく拡大していることがわかります。第2四半期末において債務超過額は356億円となりました。

 

日医工がここまで業績悪化したのは2020年に発生した品質不正問題があります。これにより業務停止命令もあり、ジェネリック薬品自体への信頼も揺るがす事態となりました。これを契機に業績は悪化。これにより2022年5月に事業再生ADRを申請するに至りました。現在、事業再建の只中にあり、その中で今回の上場廃止ということになります。

 

今年入ってからの日医工のチャートを見てみます。事業再生ADRの申請を発表した5月に終値ベースで772円から3営業日で248円まで下がる大暴落をした後、一時期500円台まで回復していました。11月14日の終値は380円でした。

さて、上述しましたが、今回上場廃止にあたり1株あたり36円の金額を交付します。つまり、これは上場廃止時点での1株あたりの買い取り価格つまり価値そのもの、ということになります。

こうなると14日時点の終値では380円ですが、これではあまりにも高すぎる、ということになります。信用売りしている方の買い戻し等もあるので一時的に買いが入ることもあるなどもあるでしょうが、基本的には今後36円に向けて値が下がっていくことになるでしょうね。