まなびの『び』

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暗号資産に何が起こったか。暗号資産価格の大幅下落。

暗号資産が揺れています。アメリカの大手暗号資産のトレーディング会社が破産申請を行ったことによりますが、経緯を見ていきたいと思います。

まずは、代表格である暗号資産のチャートを見てみます。

ビットコイン

イーサリアム

今年にはいって全体的に下降傾向にありますが、こちらはアメリカの政策金利利上げに伴ってリスク回避に向けた売りもあったかと思います。その中で、直近11月9日から10日にかけて比較的短期間で大きく下落しています。例えばビットコインの価値は、11月7日からの週で22%ほど下落しています。

これが大手暗号資産トレーディング会社であるFTXトレーディングの資金繰り悪化問題が発生したことによる下落となります。信用不安により仮想通貨の売却が発生し、仮想通貨の価格が下落しました。一時期、FTXトレーディングを買収することで救いの手を差し伸べようとした企業もあらわれましたが、翌日には撤回。11日にはFTXトレーディングはアメリカの連邦破産法を申請し、経営破綻となりました。

日本でも関東財務局がFTXトレーディングの日本法人に対し業務停止命令を出し、新たな利用者からの資産受け入れを停止させるなど対応を取っています。鈴木金融相も、「資産が国外の関連義者に流出しない様、万全を期す」と発言をしています。

とはいえ、顧客の資産がどの様な管理状態なのか、アメリカも含めてどの国の管理化にあるといえるかがよくわからない状況となっており、顧客の資産が回収できるかどうかはわからない様です。

 

問題はこの仮想通貨の信頼が回復できるか、ということになります。これまでも暗号資産は何度か信用不安となる事案がありました。これらは、ハッカーによる不正引き出しといった側面がありましたが、今回は交換業者の資産管理での問題となります。顧客の資産が回収できないとなれば、暗号資産自体の信用度に関わり、安心した投資先とはなり得なくなります。仮想通貨業者としては、業界としてどの様に顧客資産を守っていくかを見せる必要があるかと思います。私自身は暗号資産を持っていないため、客観的に見ることができますが、多くを保有していたのであれば、かなり戦々恐々な状況なのではないかと思います。