まなびの『び』

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大手損保3社の中間決算からの値動き

11月21日の東証プライム値下がり率第2位がSOMPOホールディングス(中核は損保ジャパン)でした。時価額が大きい企業ながら、前営業日比▲8.0%の下落となりました。

 

SOMPOホールディングスを始め、東京海上ホールディングス(中核は東京海上日動)、MS&ADホールディングス(中核は三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保)の損保3社は先週金曜日11月18日(金)に中間決算発表を行い、11月21日が中間決算発表後の取引となりました。

 

3メガ損保の中間決算については3社とも利益を大きく減らした内容となりました。 

その要因としては、関東の雹災、台風14号などの自然災害、新型コロナウイルス感染症、ハリケーンなどの保険金支払いが多かったとして、3社ともに通期見通しを下方修正についても発表しています。

 

SOMPOホールディングス(8630)

東京海上ホールディングス(8766)

MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)

 

3社の株価の推移を見てみると、上述の通りSOMPOが前営業日比▲8.0%と大幅減に対して、MS&ADが▲1.5%、東京海上が+2.3%となりました。3社とも取引が始まると前日に対して下落から始まるものの、東京海上はプラ転、MS&ADもかなり値をもどしたのに対して、SOMPOが一人負けということになります。

 

SOMPOの業績予想の修正に関する開示情報を見てみると、修正の理由として、特有事項として

海外保険事業ではトルコに所在する連結子会社が、国際会計基準第29号「超インフレ経済下における財務報告」の適用を受けたことに伴い損失を計上することとなりました。

という記載がありました。これが何を指すかはまだ不勉強ではあるものの、このインパクトが大きいのがSOMPOが大きく下げた理由として1点です。

 

もう1点は株主還元に対する反応がなかったということが言えます。

プラスに終わった東京海上は500億円を上限に25百万株の取得(発行済株式総数の1.2%)を発表。ちなみに東京海上は2022年5月〜9月までに500億円の株式を取得済みで、追加の自社株買いとなります。

MS&ADは、中間配当を予想92.5円から100円へ上方修正を決定。期末も92.5円から100円に予想を上方修正を行いました。

これら東京海上、MS&ADの株主還元は好感され株価に反映されたのに対し、SOMPOは嫌気されたのではないかと思います。以前も中間決算の記事で書きましたが、今年度は株主還元が強く意識されている様に感じます。