まなびの『び』

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中国ゼロコロナ政策からの転換がもたらすものは?

前回に続いて中国についての話題です。

11月末にゼロコロナ政策の異変という記事を書きましたが、その続報については触れていなかったのですが、ゼロコロナ政策による厳しい行動制限が一部緩和される事になりました。

<参考>

manabinobi.hatenablog.com

これは12月1日に発表されたものです。

外部から見れば、上述の記事でも触れたゼロコロナ政策に対する抗議に対しての配慮により緩和を行ったようにも見えますが、中国政府の発表によると「オミクロン株が弱毒化」したことによるものと説明をしています。

いずれにせよ、これまでにあった厳しい制限によって移動の制限や工場の停止などから開放され、経済的な行動がしやすくなるとして、緩和の期待が高まるとともに、ハンセン指数は上昇していました。

 

さて緩和が一気に進むか、について考えてみたいのですが、今後の新型コロナウイルスの感染者数がどの様に推移するか、が重要な要素になってくるかと思います。ゼロコロナ政策は厳しい制限がありましたが、そのために感染者数はたしかに抑えられていたかと思います。各国の発表を基にした数値になるので、その基準等も違う可能性はありますが、グーグルで「中国 感染者数」と検索すると中国における感染者数の累計が表示されます。これによると、188万人でした。同じく「日本 感染者数」と検索をすると、2,620万人となります。人口比も考えれば、かなり中国の感染者数が少ないことがわかると思います。急激なゼロコロナ政策からの転換により、感染が大いに広がる可能性があるのではないか、というのが気になるところです。

確かに新型コロナウイルスに対しては日本を始め世界各国で規制は緩和されつつあり、経済活動の再開が優先されていますが、感染者数のピークは以前よりも増えています。当然感染対策よりも経済活動を優先しているので感染者数が増えるのは当然なのですが、中国がこの感染者の急増に耐えることができるのでしょうか。

中国の場合、諸外国と比べこれまで感染者を抑え込むことができていたことから、新型コロナウイルスに対する免疫が低いことが想像されます。この免疫というのはウイルスに対するその名の通り「免疫」もそうなのですが、増大する感染者数に対する恐怖に対する「免疫」についてもです。仮に感染者数が増え、それにより醸成された人々の恐怖が、規制継続による暴動以上の混乱を起こすのではないか、ということが、最悪な妄想になります。