まなびの『び』

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大発会。2023年のスタートは?業種別騰落率から考察。

2023年1月4日東京株式市場が今年初めてとなる取引です。日経平均は昨年12月30日から1.45%の下落と26,000円を割りこみ、25,716円となりました。

33業種別の騰落率を見ていきます。

【トップ3】

1.銀行業(+2.67%)

2.保険業(+0.75%)

3.証券業(+0.06%)

【ワースト3】

31.医薬品(▲3.79%)

32.鉱業 (▲4.04%)

33.海運業(▲6.49%)

 

上昇した3業種はいずれも金融となりました。

背景にあるものの一つとして、1月3日にあったドル円の動き1ドル129円台半ばを付けたというニュースにもあると思います。

日本銀行が2022年末に実施した許容変動幅の拡大に加え、さらなる政策修正を行うのでは?という思惑です。これがどの程度信頼が置けるものかは全くわかりませんが、実際に7ヶ月ぶりの円高水準となり、政策修正が行われれば利ざやで稼ぎ安くなる銀行銘柄の業績がよくなるという思惑で買われたものと思います。

一方で円高は輸出企業の多い日本にとっては不利で、製造業を中心に株価が下がっていきました。

 

1月3日のアメリカ市場も混乱があり、アップルが部品納入業者に対して減産を要請したことが伝わり、一時4.4%下落し、時価総額が2兆ドルを割り込み、2021年6月以来の安値を付けました。また、テスラは2022年10〜12月の販売台数が市場予想を下回ったことで一時15%安となりました。

いずれも需要の減速が不安視された形です。昨年から行われてきたFRBの利上げにより、景気後退リスクが高まっている中で、この様なネガティブ要素には強く反応する流れが今後も続いていきそうに思います。

 

改めて業種別騰落率を見ると、32位の鉱業、33位の海運業は、この様な世界景気の後退に強く反応するものです。

鉱業、つまり石油や石炭の開発はそれら資源価格に直撃し、これら資源価格は世界市場の需要を反映します。

海運業は、例えばアメリカ市場でものの需要が減れば、その輸入や製造にかかる物流が減ることになります。

いずれも世界景気の影響を受けやすい業種ですから、上述の市場での需要減少ニュースに強く反応したのではないでしょうか。

また、鉱業については、ヨーロッパで年始に記録的な暖冬に見舞われたことで暖房需要が減り、天然ガスをはじめとする資源価格が下落したことも大きそうです。

 

いずれにせよ、今年初めての株式市場はおおよそ多くの銘柄でマイナスからのスタートとなってしまいました。2023年は世界景気後退リスクを孕んだ値動きになります。とは言え、市場は事前に織り込みながら株価に反映していくものですから、後半にかけて予想よりも景気後退リスクが下がっていく見込みがたてばプラスに転じていくのではないかとも思い、日々ニュースをチェックしていきたいですね。