まなびの『び』

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中国の人口減少と9-12月の経済成長

中国に関してニュースを2件見ていきます。

 

まずは、2022年末の中国の人口が前年2021年末に対して減少をしたという話題についてです。私が学生のころは中国の一人っ子政策について教えられましたが、これは夫婦一組に対してこどもが一人までという制限が当時はありました。当然親2人に対してこども世代は1人ということになるので世代的には減っていくことにはなります。このため、いつかは人口減少に至ることが見えている状況ではありましたが、これまでは出生数>死亡者数のため人口が増えていました。しかし今回とうとう2022年に1961年以来の人口減少に至ったということになります。

人口減少は中国にとって経済面ではいくつかの課題が生じます。

一つは、急激な高齢化について。日本でもそうですが、高齢化により年金支給はが膨らみ労働者に対する負荷が大きくなっていきます。また医療費も増えていきますし、例えば介護の面など高齢者を支えるインフラを整えていく必要が出てきます。

続いて、労働人口の減少。生産能力は、生産効率×労働人口となりますので、労働人口が減少する中で生産能力を維持しようとすれば、これまで労働に携わっていない人を働かせ、労働人口に加えることで労働人口を維持するか、生産効率を増やす、つまりロボット化や、これまで人が携わっていた仕事をAIにさせるなどの産業の転換を行うといったことが必要になります。

中国は一人っ子政策をしていた分、急速な人口減少が生じてくるため、このあたり高齢者をささえ続けていくことができるでしょうか。

 

その様な中でもう一つの話題が2022年10月ー12月の中国の国内総生産GDPが前年同月比2.9%と中国政府が年度目標として掲げる5.5%に対して大きく下回る結果になりました。

12月上旬にゼロコロナ政策の転換がありましたが、それまでは行動制限、転換以降は新型コロナウイルス感染の急拡大というマイナス要素があったかと思います。とはいえ、急拡大した感染が落ち着きさえすれば、中国の経済が急回復する可能性もあります。この期間の目標未達は予想しやすい展開だったかと思います。

ただし、仮にまもなく感染者数がピークを迎えたとしても、日本の第○波というように、数カ月間をあけて再び感染者数が急増するといった動きをする可能性があります。

長期的には上述の人口減少、短期的にはコロナの感染状況、中国の成長性も不透明性が高いかな、と感じます。