まなびの『び』

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3月のアメリカ消費者物価指数が発表

アメリカの消費者物価指数が発表されました。2023年3月の前年同月比が5.0%となり、前月の6.0%からさらに減速しています。下図は過去2021年6月から推移を表示させているのですが、過去最低値となっています。市場予想も5.1%でしたらからそれよりも低い結果となっています。

Bloombergの記事(米CPI、コア指数の伸び小幅鈍化-FOMCは利上げ軌道維持か - Bloomberg)によると、『労働市場の堅調継続やOPECプラスの減産などを踏まえれば、連邦公開市場委員会(FOMC)は来月に0.25ポイントの追加利上げを決定する見込み』と5月会合での0.25%の利上げの可能性が高いとしています。

今後の政策金利の最高到達点の予想では、残り1回の利上げで到達するため、ここで終了し、そのまましばらく維持をするか、近く利下げを始めるのか、というところです。一旦利上げの終了に向けて、その判断がしやすいCPIの結果だったのではないでしょうか。

今回のCPI発表はグッドニュースではありつつも、ダウ平均株価の反応は芳しくありませんでした。終値ベースで前営業日から▲0.11%の下落となりました。もともと市場0.25%の利上げで織り込まれているものから変わりはない、ということでしょうか。

 

懸念があるのは、やはり3月にアメリカとヨーロッパで起こった金融不安です。

何を例に挙げるのがよいかわからないですが、KBW地方銀行指数の推移を見てみると、2023年3月にシリコンバレーバンクの経営不安をきっかけに急落すると、その後もずるずると下がっていっています。先に挙げたダウ平均株価の推移とは動きが異なることがわかります。銀行の経営不安が続けば、景気後退が近づいていきますので、まだまだ安心ができるとは言いにくいかと思います。