まなびの『び』

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EUのエンジン車規制方針の転換。トヨタ株が上昇。

ヨーロッパ連合EU)は、これまで2035年までにエンジン車の新車販売を禁止することを目指していました。脱炭素を目指すことを目的として、電気自動車でなければならず、ハイブリッド車も含め、内燃機関を持つ車は一切認めず、市場から締め出されることとされてきました。ところが、温暖化ガスが排出されない合成燃料を使用する場合、2035年以降も新車販売を認めると、3月28日に方針転換が発表されました。この背景にはドイツがあるとされています。ドイツも国内産業で自動車が強く、ドイツの主張が一部認められた形になります。

 

この合成燃料は、水素と二酸化炭素を合成して製造させる燃料です。

二酸化炭素は、発電所・工場から排出されたものを利用するということで、二酸化炭素の再利用、いわゆるカーボンリサイクルとなります。水素は風力発電所などの再生可能エネルギーにより水から水素を精製するということで、二酸化炭素排出のない、合成燃料(e-Fuel)というものになります。

(参照)エンジン車でも脱炭素?グリーンな液体燃料「合成燃料」とは|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁

www.enecho.meti.go.jp

 

現状では、結局は電気自動車に加え、合成燃料も認めるという状況ですので、これまで日本勢が目指してきたハイブリッド自動車は除かれる方針は変わらないかと思います。それでもトヨタ自動車を始め日本のメーカーもe-Fuel車は開発を進めていています。

今回の発表で、トヨタ自動車の株も上昇をしました。29日の株価は前営業日から46.5円(2.6%)上昇しています。欧米の金融不安で株価はこれまで急落していましたが、29日の上昇で、戻ってきています。短期的には戻ってきているとはいえ、年間で見れば下落傾向にあります。今後も上昇傾向に転換するとは言えないですが、日本の自動車メーカーの今後の戦略に注目していきたいですね。