まなびの『び』

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原油価格が急騰。OPECプラスが減産

4月2日にOPECプラスの会合があり、5月以降の減産を発表しました。その減産量が大きく日量100万バレルを超える規模で、原油市場にとってサプライズとなりました。

4月3日月曜日のWTI原油(ウェスト・テキサス・インターミディエイト原油)は前週末である3月31日の終わり値から大きく窓を当けて急騰し、一時的に7.7%上昇しました。

上図WTI原油の1年間の日足チャートを見てみると、昨年6月にピークを迎えたあとは、じりじりと価格を下げる傾向にありました。特に今年3月には急落しています。

これはインフレに伴う政策金利の引き上げにより、経済活動が鈍化することが需要の低下することが懸念されての価格低下とされています。特に今年3月の低下はアメリカのシリコンバレーバンクやスイスのクレディ・スイス銀行に端を発する金融不安によって、価格が落ち込みました。最近は金融不安も楽観視されつつあったため、原油価格も戻りつつありましたが、今回のOPECプラスの発表で急上昇しました。

 

上述のように金融不安が再度広がることで、再び価格が急落する可能性もあり、OPECプラスとしては、価格を安定させたいという思惑があるものかと思われます。一方で、最近欧米ではようやくピークを超えた感がありましたが、原油価格が下がりきらなければ、物価も下がりきらないことになりますので、反対にリセッションの可能性も高まるというジレンマともなっています。

 

www.bloomberg.co.jp

Bloomebergの記事によると、今後再び1バレル100ドルともなることも懸念されています。原油価格が上がれば、電気料金やガソリンなど生活、経済活動に密着していますから、日本にとっても影響が大きいものです。市場に反映は少し時間がかかるかもしれませんが、減産が続けば徐々にダメージが出てくるかもしれません。