まなびの『び』

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SBIホールディングスとはどの様な企業なのか。

先日、SBIが新生銀行TOBを行った際の経過をまとめましたが、そもそもSBIと新生銀行はそれぞれどの様な企業で、SBIは新生銀行TOBによりどの様な未来を見ているのかを調べていきたいと思います。今回はSBIホールディングスはどの様な企業なのかについてです。

 

なお、SBIのHP、アニュアルリポート等から引用しています。

TOBの経緯はこちら。

manabinobi.hatenablog.com

 

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SBIホールディングスの事業領域と主な構成企業】

◯金融サービス事業

証券事業:SBI証券

銀行事業:住信SBIネット銀行

保険事業:SBI損保、SBI生命保険

マネープラザ展開:SBIマネープラザ

PT(私設取引システム):ジャパンネクスト証券

FX(外国為替証拠金)取引:SBIリクイディティ・マーケット、SBI FXトレード

その他の金融サービス事業

◯アセットマネジメント事業

ベンチャーキャピタル:SBIインベストメント

資産運用サービス:モーニングスター、SBIアセットマネジメント

海外事業:香港、海外、ベトナムカンボジアインドネシア、タイ、ロシアに設立

◯バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業

5-ALA関連事業:SBIファーマ

医薬品研究・開発事業:SBIバイオテック

◯その他事業:地方創生パートナーズ

 

【4つの重点施策】

①オープン・アライアンス戦略により一層拡大した生態系を構築

○ネオ証券化

 『次世代の証券事業のあり方を見据え、オンライン取引での現在投資家が負担している国内株式の売買委託手数料の無料化を図る。』というもので、実際にSBI証券では25歳以下の国内現物株式の取引手数料は、2021年4月からはキャッシュバックによる実質無料化、12月からは完全無料化としています。

株式売買の手数料に依存しない収益源の多様化が必要で、国内株式以外の商品の強化、投資信託の信託報酬、IFAビジネスなどの取り組みを強化しています。SBI証券の売上高構成比のうち、株式売買手数料等を含む委託手数料は2004年期には71.1%を占めていたのに対し、2021年期には28.1%と、委託手数料に頼らないビジネスモデルが進められている事がわかります。

○ネオバンク構想

『「預金」「融資」「為替」等の様々な銀行機能をアンバンドリング化(分解)して、黒子となって外部のパートナー企業に提供する取り組みです。』ということで、銀行機能を銀行痛いの事業者に提供することを行っています。例えばJAL会員専用の「JAL NEOBANK」、TポイントのCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)の「T NEOBANK」そしてヤマダ電機のヤマダホールディングスの「ヤマダNEOBANK」などにSBIがプラットフォーマーとしてサービス提供をしています。

○地方創生への貢献

地銀等との連携強化ということで、8行との戦略的資本・業務提携を行っています。また、地方創生パートナーズ、SBI地方創生サービシーズ、SBI地方創生投融資をそれぞれ設立し、地域の課題解決を行っています。これにより、SBIグループ各社の提供している金融商品を地銀で取り扱いを行い、顧客利便性にもつなげる取り組みとなります。

○地方創生戦略の一環としての国際金融センター構想の具現化に向けた取組み

大阪・神戸に次世代の「国際金融センター」を設置することを目指しています。アジアの国際金融センターというと、これまでは香港が担ってきました。しかし、2020年6月の「香港国家安全維持法」を契機に日本での国際金融センター機能の強化が期待されています。この中でSBIは、東京への一極集中の回避、関西以西の地域の経済活性化を図る意図を持って、大阪・神戸の強化を目指しています。

 

②革新的技術を有するベンチャー企業への積極的な投資とそれら技術のSBIグループ内への導入、ならびにアライアンスパートナー等への拡散を通じて、シナジーの極大化を目指す

例としてあげているのが「マネータップ社」で、提供サービスの「Money Tap」にて自他行に関わらず、いつでも直接送金が可能になっています。その他最近の例では、ロボットアドバイザーのウェルスナビに出資しています。

 

③デジタル金融分野に積極的かつ多角的に進出し、新たな事業拡大とグローバル展開を図る。

インターネット金融として強みのあるSBIですが、今後3~5年で必ずしもウェブを必要としない、ブロックチェーンを基盤とした「フィンテック2.0」の世界が拡大することで、革新的な金融サービスが始まり、その取り組み準備を進めています。

 

④グループ運用資産残高の倍増を目指す。

『SBIグループの運用資産残高は2021年3月末時点で4.4兆円を突破しており、遅くとも2026年3月までには10兆円超への拡大を目指しています。』

フィンテック、暗号資産、FX、資産運用の分野や、5G、IoT、ロボティクス、ヘルスケア、インフラなどの幅広い領域を投資対象にし、既存ビジネスとのシナジーを追及しています。

 

ここまでSBIの事業とその取り組みについて見てきましたが、新技術+金融総合サービスの会社というイメージですね。SBIはインターネットを中心として成長してきましたが、フィンテックの分野はますますの成長を見せていますから、より新しい金融の世界を見せてくれるかもしれません。