まなびの『び』

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前回のバランスシート縮小のときの株価はどうだったのか?

一昨日の記事で、FOMCの議事要旨でバランスシートの縮小の早期実施についての話題がありました。このバランスシートの縮小は初めてのことではありません。直近では2017年から行われていますが、その時の市場の反応はどうだったのでしょうか。

 

◯前回の量的緩和の要因

前回のバランスシートの縮小の前に、前回はなぜFRBのバランスシートが膨らんでいたのか、ですが2008年から発生したリーマンショックによる景気回復策が原因となります。このときに、政策金利ゼロ金利政策とともに、量的緩和政策が行われていました。ここからの出口戦略として、2015年からの利上げと、2017年10月から2019年の9月にかけてバランスシートの縮小が行われました。

 

◯バランスシート期間の株価推移

上記期間を含むダウ平均株価の推移は次の図のとおりです。

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縦線2本に挟まれている期間がバランスシート縮小が行われていた時期となります。これを見ても、その他要因等もあり、バランスシートの縮小がどの程度株価へ影響を与えたのかその程度は正直よくわかりません。しかし、それまでの株価の上昇から、数回のやや大きな下げが合りつつ、やや上昇にブレーキがかかっている様に見えます。

2017年当時はトランプ大統領の時期で、法人税の改革などの政策が行われていました。企業の好決算もあり、2017年中はダウ平均が高い伸びをしました。しかし、2018年に入ると長期金利の上昇とともに株価が急落する場面もあり、この年が先の株価の成長のブレーキ部分になります。

リーマンショックのときと果たして同じ様な傾向となるのかはわかりませんが、今回のコロナショックによる株価の急落とそれ以降の株価の回復は、リーマンショックのときよりも短期にそして激しくなっています。また、今回のFRBの出口戦略での一番のリスクは、アメリカ以外、特に新興国で十分に経済回復ができていない状態で、アメリカの利上げが行われることによる為替相場の値動きが激しくなるのでは、と思います。アンテナを張っておく必要がありますね。

 

(参考:一昨日の記事)

manabinobi.hatenablog.com