メディアドゥ
メディアドゥの決算分析をしていきます。
○メディアドゥの事業内容と業績推移
以前、メディアドゥはNFT関連のテーマで銘柄を探した際にとりあげました。
事業内容は過去記事も参照ください。
メディアドゥは電子書籍を出版社と電子書店の間での取次を行っており、また、電子書店での企画販促を提案し、一方で出版社へは販売データを提供するという事業を行っております。
2022年2月期の決算短信を見ると、
紙本から電子書籍への移行については、引き続き不可逆的なトレンドとして進展しており、市場の拡大も持続しております
としながらも、
在宅勤務や外出自粛による可処分時間の増加を背景としたいわゆる「巣ごもり消費」については下期以降、ピークアウトの様相も見られました。また、電子書籍市場においては海賊版サイトの影響など市場拡大の阻害要因も一部みられました。
とあり、コロナ禍での特需は陰りが見え始めている状況の様子です。
とはいえ、2022年2月期の売上高は前年比25.4%と大きく増え、営業利益は5.5%増、最終利益は3.8%と着実に増加しました。
今後の見通しの中で重要なことを発表しています。メディアドゥが取次業務を行っている「LINEマンガ」を運営するLINE Digital Frontier社が、その子会社にてメディアドゥの行っている業務を一部移管させる意向であるとのことです。このLINE Digital Frontier社との取引はメディアドゥの売上の20%を占める取引先であるため、当該発表内容が今後の業績への影響が発生する可能性があるとしています。
この様な負の要素も折り込みつつ、2023年2月期は売上高は4.5%減、営業利益28.9%減、最終利益は46.1%減と、厳しい内容となりました。
ただし、同日に新中期経営計画を発表し、インプリント事業、出版ソリューション事業、国際事業、ファンマーケティング事業をそれぞれ戦略投資事業というセグメントに位置づけ、2022年2月期には8%の構成比となっているところ、2027年2月期の中期経営計画最終年度には25%まで引き上げ収益源の強化を測るとしています。NFTデジタル特典付きの特装版への取り組みは既に始まっており、今後のこれら事業の成長が楽しみな分野になります。
○メディアドゥの株価推移
メディアドゥの株価は決算発表後、一時的に2,300円台まで上昇したものの、その後、終値ベースでは前日とほぼイーブン。週明けの4月18日には5.4%減と大きく下がってしまいました。やはり、LINEマンガの悪材料が意識されたのでしょうか。