まなびの『び』

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2022年11月の相場振り返り

2022年11月の相場の振り返りです。eMAXIS Slimシリーズの基準価格の推移を参考にみていきます。図は前月末の各投資信託の基準価格を1として、その推移をグラフ化したものです。参考にドル円の推移も掲載しています。

11月はアメリ連邦公開市場委員会FOMCの会合でスタートしました。1日、2日に開催されたFOMCの11月会合では政策金利の引き上げを4会合連続での0.75%で決定されましたが、12月会合以降の利上げペースの原則を示唆する一方で、将来的な政策金利の最高利回りの上方修正の必要性にも触れました。

11月23日に公表された議事要旨では、やはり12月からの利上げペース減速が適切になる可能性が高いとしていて、市場は好感に受け止めました。

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その裏付けともなったのが10日に発表されたアメリカでの10月消費者物価指数です。前年同月比が7.7%と8ヶ月ぶりに7%台になりました。これは市場予想も下回り、インフレピークアウトへの期待が高まりました。株式市場は急反発しました。

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一方で日本はというと、10月消費者物価指数は3.6%と1982年以来の水準となり、先月よりも伸長しました。こちらは食品・外食などを中心として価格転嫁が進んでいることが反映されています。

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11月の日本の株式市場は好業績を発表した決算に支えられて総じて好調だったかと思います。一方で決算発表の中では、円安・資源高によるコスト増となっている企業も多く、売上高は伸びているものの、収益面ではそれほどでもない企業がおおかったように思えます。

日米ともに11月は株式市場は好調だったのですが、eMAXIS Slim先進国株式インデックスの推移は11月は冴えていません。これは為替ヘッジの内インデックス指標の推移を見ており、これに対して11月はドル円円高方向に進んだことも影響しているかと思います。10月21日には1ドル151.94円だったのですが、11月30日には一時1ドル137.64円まで下落。ピークからおよそ9.4%も下落しており、ドルベースではプラスとなっていたとしても、円で評価した為替ヘッジのないeMAXIS Slim先進国株式インデックスの基準価格は下落してしまった、ということになります。

円安はピークアウトしたかという意見もありますが、今後FOMC12月会合以降の利上げペースがどうなるか、そして日銀総裁の人事への動きに対しても敏感になっていくのでしょう。