まなびの『び』

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2023年2月の相場振り返り

2023年2月の相場の振り返りです。eMAXIS Slimシリーズの基準価格の推移を参考にみていきます。図は前月末の各投資信託の基準価格を1として、その推移をグラフ化したものです。参考にドル円の推移も掲載しています。

2023年2月が終わりました。2月は公私忙しく体調も良くなかったため、なかなかブログ更新が滞りがちでした。あまり経済で何が起こっていたかも見ていなかったので、しっかりと振り返っていきます。

 

2月入ってすぐにFOMCアメリ連邦公開市場委員会)の2月会合により、2会合連続の利上げ幅縮小が決定され、0.25%の利上げに落ち着きました。この他ハト派的な発言もあり、幾分市場は安心感がありました。

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一方でその直後に発表されたのがアメリカ雇用統計。この雇用面は堅調で、賃金コストの高止まりはインフレの長期化が懸念されることから、今後の金融政策がどの様になるか、余談を許さない状況ともなります。

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それまでは、残り2会のFOMCで利上げが継続し、その後維持、年末に利下げを始めるといった動きが予想されていたものの、利上げがさらに長引く、あるいは利下げが今年はない、といったことも想定され、特にその後のFRB要人の発言により市場が警戒を強めました。また2月中旬に発表された消費者物価指数などのインフレ関連の指標では、インフレが根強いことが示唆されています。

これは、株式市場にはマイナス、ドル円については円安の再加速が進みました。ドル円は、金融政策の出口が見えてきたところから1月中旬に127.2円台まで円高となりましたが、その後転換し、2月末には136.9円まで円安に振れました。1ヶ月で10円弱ほど円安になったことになります。

2月14日に、日本政府が植田氏を新総裁とする日銀人事案を国会に提出。その後の国会両院での所信聴取において、現在の黒田総裁率いる日銀の金融政策について方針を引き継ぐスタンスを明らかにしました。一方で日本での消費者物価は引き続き高く加速しており、新体制の難しい舵取りが想像されてしまいます。

eMAXIS Slimシリーズは為替ヘッジはしませんので、海外資産は為替影響を受けます。上図で見ている先進国株式や先進国債券の指数は、為替に対してやや弱いということになります。日本株も利上げ継続懸念が上値を重くしていて、インフレが継続する中、今後の賃金引き上げの動きが強まる春闘の季節に入っていきます。